そろそろあいつの話をしよう。
俺が一番大好きな怪物の話。
その怪物の話をするには、まず親の世代まで遡らなければならない。
面倒だけど、まあ結局捕まって死ぬ人生。
スリルを求めて俺の話を聞くわけじゃないんだろう?
大切な話だ。
純粋なのかバカなのか、あいつは何にも知らなかった。
無知は罪か、あぁ罪だとも。
だから俺に殺された。
それでも俺はあいつが好きだったね。
純粋だから、きっとおれに殺されても天国に行けるだろうな。
俺は、これだけの罪人を裁いて、最終的にどこにいくんだか。
…そんなことはどうでもいいか。
さあ話をはじめようか。