そろそろあいつの話をしよう。

俺が一番大好きな怪物の話。

 

その怪物の話をするには、まず親の世代まで遡らなければならない。

面倒だけど、まあ結局捕まって死ぬ人生。

スリルを求めて俺の話を聞くわけじゃないんだろう?

 

 

大切な話だ。

 

純粋なのかバカなのか、あいつは何にも知らなかった。

無知は罪か、あぁ罪だとも。

だから俺に殺された。

それでも俺はあいつが好きだったね。

純粋だから、きっとおれに殺されても天国に行けるだろうな。

 

俺は、これだけの罪人を裁いて、最終的にどこにいくんだか。

 

…そんなことはどうでもいいか。

 

さあ話をはじめようか。

 


03静かなる隣人の狂気