箱が燃やされ、焼け焦げた神に対して村人は冷たかった。
「いないほうが、こんな本性を引き出されなくて助かるかもしれない。」
そんな声が、聞こえてくる。
数日たったころには女を恐れて男どもは鬼女の存在を忘れることにした。
再び、呪術師が村人の支えとなった。
一年のうち、大部分が呪術師の話題であったがそれでもある一時期だけは
箱の中の神が支えとなった。
毎年、毎年、神は死んだ。
呪術師は神の遺体をある植物と共に埋めていった。


その花は、最も箱の中の神が輝いていた時期に悲しい赤い花を咲かせたという。