重いです。ほんのりグロ・・・?
「「会話01」 男は、曖昧な笑みを浮かべて「それ」といって目で促す。 「どうしましょう?」 困り果てた、といわんばかりにため息をつく。 私はそんな男の顔を見るのがたまらなく好きだった。 「腐るんですか?」 「えぇ、多分、そのうちには。」 男は噴き出す汗を丁寧に何度も拭きながら私の質問に答える。 なんでも、ごみ箱に入っていたそうだ。 身に覚えのないゴミに男は困り果てていたところに 私がやってきたので今に至る。 「どうしましょう?」 私を頼るこの男は、まだ汗を拭いている。 そんなに日差しは強くないというのに止まらないのは不可解だ。 「仕方がない、少し奇麗にしたら私のところに置いといてください。」 生ごみ臭いこの人形、ところどころ壊れている。 この男が困っている。 滅多に困らない男を困らせたソレに私は興味を抱いた。 しかし男は、目を剥いて驚いて私をみて何か言いたげに口を開いた。 「 」 言葉は、出ないようだ。 その反応を見られただけで私の中では満足だ。 「どっちが人形だかね。みなさい、ソレは掃除を始めているよ。」 そういってソレをみれば、私と目が合った。 無感情で見つめられたかと思えば ほんの一瞬、性質の悪い笑みを浮かべたように見えた。 ひやりと嫌な汗をかいた。 今日は特に日差しは強くないんだが。 |