自ら命を断てば、悪魔が歌う。
それを聞いた人は喜んでいるように思った。




おしゃべりな悪魔の話。
悪魔を買った。
彼は悪魔で歌が嫌いなのに人が死ぬとメロディを奏でるおかしな悪魔として売られていたから興味本位。
最初は良かった。歌が心地良い。でも今は雑音ばかり!僕はそれをテープでふさぐ。
悪魔は寂しくなったら勝手にテープをとって話し始める。

「うるさい」

僕がそういえば悪魔は寂しそうにする。

喋りたいのに、人はたくさん死んで行くからメロディーが止まらない。
歌いながら話す彼、メロディーは雑音ばかりで壊れてきている。
いや、壊れているのは彼ではないけれど。
つまらなくなって、最近どこかの歌劇団にでも売り飛ばせないかと、そんなことばかり考えている。
役立たずな悪魔、誰かいりませんか?