これは昔々のお話です。
どこかの小さな可愛い村。
そこに住んでるのは仲のいい夫婦と、その娘と息子。
夫婦はすごく子供を可愛がる、まさにこれが理想の家族。
周囲が羨む、いつも笑顔が絶えない家族の肖像。
そんなときに家族に不幸が襲う。
「大変だ。娘の命が残り三日だって、神様が告げにきた!」
娘の父親が妻に言う。
「あら、じゃぁ娘だけ死なせるのは可哀想だから息子も娘の後を追わせましょう。」と妻はいった。
「でも息子が死んだら跡取りがなくなってしまうよ。」
情けない声で父親が言う。
「そうね、それは困ったわ。ならあなた、娘が一人でかわいそうだからあの子と仲の良かった
メリーに後を追わせましょう。」
妻が気さくに笑う。
「そうだな、仲のいい子がいたら不安じゃないよな。」
父親は名案といわんばかりに手を叩いた。
そして父親は娘のために罪を犯した。
それはなんて娘想いな家族でしょう。
きっと娘も喜んでいる。
Fin...?